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なぜ多くの投資家は負けるのか 相場の組成・確率から考えてみる

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Heyward[著]
2008/04/22 10:00

 相場の組成や確立は、相場で生き残るためには大切な考え方です。ようやく相場に底入れの兆しが見えてきたとはいえ、昨年夏から、株価(指数)は下落に次ぐ下落で、多くの個人投資家が痛手を負っている状況でしょう。ついつい見失いがちになってしまう、基本的なこと「相場とはどういうものなのか?」「なぜ相場で負けるのか?」を考えてみましょう。

相場とは大きく負けるハズのないショバ!?

 「寺銭」というギャンブル用語をご存じでしょうか? 「やりとりしたお金の中から、場所の借り賃として出すお金(ショバ代)」のことを「寺銭」といいます。

 何の事か分からない方もいらっしゃると思うので具体例を挙げて見てみましょう。

 競馬なら、馬券を買う人は(原則的には)25%の寺銭を自動的にJRAに払っています。(余談ですが、単勝式及び複勝式の寺銭は20%。)
 仮に1億円の売り上げが1レースあたりあったとすると、払戻金(馬券的中者に払い戻される金額)は7,500万円で、JRAの寺銭は2,500万円ということです。
 確率論でいえば、仮に1億円で全組み合わせの馬券(連勝式)を買うと、7,500万円のお金が戻ってくることになります。

 宝くじは、寺銭がなんと約50%。元締めは、みずほ銀行です。(正確には、みずほ銀行は都道府県と政令指定都市から事務を受託しているのであり、「元締め」と呼ぶのは適切ではないかもしれませんが、寺銭(ショバ代)と考えれば、そうみてもいいでしょう。)
 寺銭が約50%。つまり、確率論でいえば、1億円分の宝くじを買うと、約5,000万円が当たる(お金が戻ってくる)ということです) 。

 つまり、こういったギャンブルは、単純に売買をした場合、確率論・回収率からいえば、続ければ続けるほど自己資金は目減りしていくといえます。(競馬なら約20-25%、宝くじなら約50%の投資(?)資金が目減りしていくということです)。

 対して、株式市場や先物市場の寺銭は、基本的には数%の売買手数料だけです。(証券会社の売買手数料を寺銭というのは適切ではないかもしれませんが…)

 つまり、確率論・回収率でいえば、相場とは「本来」大きく負けるハズのないショバなのです。

なぜ大きく勝つ人と負ける人がいるのか

 では、株式市場や先物市場は、数%の売買手数料だけの寺銭にもかかわらず、なぜ資産を大きく増やす人・失う人に分かれるのでしょう?

 よくいわれる言葉ですが、株式投資・先物取引とはゼロサム・ゲームです。巨額の利益を得る人たちは、相場で負けた人たちから巨額の資金(資産)を巻き上げている。相場で勝って笑っている人は、それだけ相場で負けた人を生み、泣かせている人がいる、ということです。

 つまり相場とは、「市場参加者同士の金のぶんどり合戦」なのです。

 投資(投機)初心者の方は、結構この辺りを自覚されていない方が多いようです。書店で、「投資で○億儲けた…」といったタイトルの本を多々見かけますが、それは「投資で人様の資産を○億ぶんどった…」と限りなく同義です。

 それが経済、それが世の中というもの、といってしまえばそれまでですが、常に「投資で勝つということは人の金を奪い取る行為」ということを自覚しておきたいものです。


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著者プロフィール

  • Heyward(ヘイワード)

    本業絶不調のため、やむなく相場で食っている一個人投資家。
    「勝たなくてもいい・負けなければ。負けても負けの金額を限定すること!」をテーゼに先物相場で日々奮闘中。
    楽観的・魅力的な先物相場の見方は証券会社にお任せして、私からは先物の恐ろしさ、個人投資家が陥りやすい相場に潜む罠、相場に起こる事象の見方・解釈、相場に挑む際の心の持ちよう等々を、個人投資家ならではの、しがらみのない立場で、皆様にお伝えできればと思います。
    日々の相場概観、ザラ場リアルタイム情報はブログ「株と先物の勉強会」にて更新中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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