信用残以外に見るべきデータ
信用取引の残高が株価に与える影響は、この連載でお話してきた通りですが、信用取引を行う際や、現物取引でも貸借銘柄の売買を行う際、残高以外に気をつけて見ておかなければならない指標をご紹介します。
信用取引で売り建ても買い建ても行える貸借銘柄を売買する場合、売り手と買い手のエネルギーがどちらに傾いているかが重要なポイントだとお話しましたが、売り手と買い手のバランス以外に気をつけなければならないものがあります。それは、回転日数といわれるものです。
回転日数とは
回転日数は、新規で信用取引を行ってから、返済するまでの日数のことを言います。新規で信用取引を行うので、売り建てから始めても、買い建てから始めても構いません。それらの新規注文の売買が成立してから、返済されるまでの日数を回転日数と呼ぶのです。
この回転日数ですが、新規注文が約定されてから返済するまでの日数が表されているため、回転日数をチェックことによって、信用取引を行っている取引参加者の新規注文から返済までの期間が長いか短いかを知ることができます。期間が長ければ、売買はあまり活発ではないと判断できますし、期間が短ければ、売買が活発に行われていると判断できるでしょう。
また、売買が活発かどうかの目安としては、経験則から回転日数が10日前後であれば、売買は活発だと考えられます。さらにその日数が5日を切ってきた場合には、過度な取引が行われているとの判断につながり、目先株価の天井が近いと言われています。
では、実際のチャートで見てみましょう。これは、最近業績の上方修正を行ったキユーピーです。

