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航空需要の増加と人民元高にわく航空業界
今、中国の空が熱い

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2008/04/16 16:00

 今回は中国の航空業界に焦点をあててみる。航空業界は、原油高を受けたジェット燃料価格の上昇などプラスの面ばかりではないものの、今後の中国経済の中で急速に拡大していく業種だといえるだろう。(バックナンバーはこちら)

中国の航空業界にフォーカス

 相次いで欧米の大手金融機関は巨額の損失を計上しているが、その一方で大規模な増資計画も発表し、財務内容の強化を図ったことでサブプライム問題は小康状態を保っているようにみえる。

 このような中で、ハンセン指数も3月18日のザラ場で20572.92ポイントと、2万ポイント割れ寸前まで下落したものの、その後は持ち直して4月7日時点で24000ポイントを上回っている。また、3月から4月は中国企業の決算発表シーズンで、多くの企業が好調な業績を公表していることもあり、更なる悪材料が海外市場で発生しない限り、再度の大幅な株価下落はないように思える。

 そこで今回は航空業界を取り上げる。原油高を受けたジェット燃料価格の上昇や人民元高の恩恵など、航空業界を取り巻く環境にはマイナスとプラスの両方の面が存在するが、今後の中国経済の中で急速に拡大していく業種だと考えられる。

急増する航空需要

 中国の航空市場は、中国経済の高い成長率や航空需要の増加に加え、対米ドルでの最近の人民元高を受けて新たな成長局面を迎えている。

 07年の航空各社の旅客輸送量(路線区間に旅客数を乗じた数値)は前年比17.1%増の2776億人㎞に達し、貨物・郵便輸送量(路線区間に貨物・郵便重量を乗じた数値)も114.7億トン㎞の21.6%増と好調であった。可処分所得の増加に伴い消費の高級化が進み、飛行機は最高級の移動手段として人気化しつつあり、近年、航空輸送量は他の輸送手段を大きく上回る伸びを示している。

 また、最近では、人民元高や観光ビザ取得の規制緩和などにより、海外旅行がブームとなり渡航者数は急増している。中国本土住民の出国者数は98年の842.6万人(延べ人数)から06年には3452.4万人へと4倍以上に増加した。

 旅客だけではなく対外貿易の急増やジャストインタイムを中心とする物流の高速化により、航空貨物・郵便輸送量も高い伸び率を保っている。だが、中国航空業界は米国に次ぐ世界第2位の規模に成長したものの、広大な国土の割には国民一人当りの利用率はまだ低く、08年の北京オリンピックや10年の上海万博に向けて成長余地は依然として大きい。

 ただし不安材料もないわけではない。


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著者プロフィール

  • 有井 誠(アリイ マコト)

    内藤証券 中国部 アナリスト。社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員。学生時代から、中国、タイ、インド、ベトナム、ラオス等、東南アジアを中心に長期の旅行を繰り返す。今までに訪れた国は10カ国以上。現地で民家に泊めてもらうことも多くあり、観光地では見ることの出来ない一般庶民の生活を肌で感じた。今、当時の貴重な経験が役立ち、また、懐かしくも思う。現在、内藤証券中国部アナリストとしてレポート等を作成。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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