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投資詐欺の実態 Vol.8
「私に詐欺破産を依頼した中年男」

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2008/05/08 16:00

 詐欺破産をご存知だろうか。私が以前、居酒屋で隣り合わせた中年男詐は、欺破産罪の内容を熟知しており、500万円の隠匿行為を実行しようと目論んでいた――。( バックナンバーはこちらから )

詐欺破産の依頼

 詐欺破産という犯罪を聞いたことがあるだろうか。
詐欺破産罪は、破産法265条に定められている。少し長い条文であるが、その一部を抜粋してご紹介しよう。

(詐欺破産罪)

第二百六十五条  破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、…十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する…
一  債務者の財産…を隠匿し、又は損壊する行為
二  債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
三  債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
四  債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為

 要するに、債権者に損害を与えようとして、破産者の財産を隠したり、不当な安価で処分してしまうことを処罰する犯罪である。

たまたま隣に座った中年男の話

 詐欺破産罪の刑罰の重さは、10年以下の懲役、1000万円以下の罰金というように、かなり重い。詐欺の金額が多額となり、その弁償ができないのであれば、初犯であっても実刑判決が下ることも十分ありうる。

 以前、居酒屋で飲んでいる時に、たまたま隣に座った中年男と話をする機会があり、自分が弁護士である旨を告げることとなった。

 すると、その者は少し驚いた後にこんな話を始めた。

「実は、私の父親が事業に失敗して自己破産を行わなければならないのです。母親も事業資金の借入に際し連帯保証人となっているので、同時に破産申立を行わなければなりません」

 ここまでの話であれば、何も不思議なところはない。バブル崩壊後、何とか踏ん張ってきたものの、力尽きて崩壊する例は山ほどある。

 私の頭の中では、
『負債総額はいくらだろう』
『事業は法人形態で行っていたのだろうか』
『事業内容は何だろう』
『従業員はどのくらいいるのだろうか』

などと、この件に関する疑問がいくつも浮かんできた。しかし、この中年男の次の発言で、これらの疑問はすべて吹っ飛んだ。(次ページへ続く)


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