今回マネー相談に来たのは…

マネー診断開始!
棚からボタモチ的にお金を受け取ると、舞い上がって消費三昧になってしまう方もいると思いますが、山口さんは大変堅実な考え方でいらっしゃいますね。2人のお嬢様の将来のために運用したいとのこと、やさしいお父様です。
お嬢様を思う気持ちは大変すばらしいのですが、この機会にご自身(ご夫婦)の老後を含めて将来像についても考えてみてはいかがでしょうか?
といいますのも、このままではちょっと厳しい現実が待っているからなのです。
これまで夢中で子育て等に力を入れてこられたため、貯蓄額がゼロということですので、このままの状態で定年退職をされると退職金1000万円のみで老後の生活をスタートすることとなります。
退職後に新たに職を得て収入がある場合を除き、公的年金の受取開始(65歳)までは収入ゼロとなってしまいますので、退職金のみでつないでいかなければならないことになります。単純に1000万円を5年間で割って年間200万円です。「夫婦2人ならばどうにかなる」と楽観するのは待ってください。
参考までに、現在の統計的な平均値では、老後の生活費は最低水準でも平均で月間24.2万円、年間で290万円強とあります。(もちろんあくまで平均の話で、個々人や地域で水準は大きく異なりますが…)
ちなみに現在の公的年金の受取金額をベースに山口さんの受給額を試算すると年額約200万円程です。この金額は現在受給されている方の中でも平均的なものですが、最低日常生活費である年間290万円強に満たないというが現実です。こうした差額は一般には企業年金や民間の個人年金、貯蓄の切り崩しで賄われています。
では老後に必要な生活費はどの程度を見積もっておけばいいのでしょうか。