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第1回 「市場予測をビジネスにする人々」と「それを利用する人々」

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2007/10/01 11:30

 この連載では、「ダマされたくない人」という人に本物の資産運用というものを理解していただきます。

「相場観の要らない資産運用」が私の信条

 人前で話すことを生業とする者は、必ず講演のネタ本とも呼べる座右の書を幾冊か持っているものです。資産運用関連のお話をすることが多い私の場合は、バートン・マルキールの『ウォール街のランダムウォーカー』(日本経済新聞社)に加えて、ウィリアム・シャーデンの『予測ビジネスで儲ける人びと』(ダイヤモンド社)が外せないネタ本となっています。

 特に、「すべての予測は予測はずれに終わる」とサブタイトルを飾る後者の書は、「証券の専門家による株式市場予測」、「エコノミストの景気予測」など専門家の予測は「当てにならない」と一刀両断の切り捨て方が心地よく、その裏付けとなるデータと検証事例も豊富で示唆に飛んでいるため、講演の流れを円滑に運ぶのに大いに役立ってくれています。

 ところで私の資産運用のスタンスというのは、昨年末に書かせていただいた『ダマされたくない人の資産運用術』に披露した通り、相場を当てに行くような天任せの運用ではなく、厳選した投資信託の分散投資という誰にでも実行可能なシンプルな方法で、年率7~8%程度のリターンは難しくないというものです。

私の資産運用におけるスタンス
私の資産運用におけるスタンス

 上記のような論理で展開しています。

チャート分析から恩恵を受けているのは投資家ではなく証券マン!

 講演のなかで最も苦労する点は、「人は相場を当て続けることができない」ことをいかにしてお客様にご納得いただくかというところです。やはり、日本の場合には「相場を当てにいく」ことが投資の常識であると考えられていますからね。その点、シャーデンとマルキールは次のように短期投資家(=投機家)に容赦なく攻撃を加えます。

「プロでも相場の転換点予測の的中率は偶然に当たる確率(50%)とほぼ変わらない」と指摘するのがウィリアム・シャーデンです。

 彼はその根拠の一つとして、カリスマ投機家、エレイン・ガザレリの予測成績をとりあげていますが、ちなみにガザレリとはニューヨーク株式市場の大暴落をきっかけに、世界同時株安を巻き起こした1987年のブラックマンデーを的中させ、一躍有名になった人物です。

 1987~96年にかけてガザレリが株価の上値・下値を明言した回数は13件あるそうですが、的中したのはわずか5件だけとのこと。株が上がるか下がるかを言い当てるだけなら、的中する確率は五分五分、つまり50%ですから、ガザレリの予測的中率は素人の当てずっぽうよりも成績が悪いということになります。

「プロの予測の正答率は50%を切る」という事実

 デイトレーダーたちが市場予測に駆使するチャート分析(テクニカル分析)もまた、まったく役に立っていないことをシャーデンは言及しています。


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著者プロフィール

  • 上地 明徳(カミジ アキノリ)

    1958年生まれ。学習院大学経済学部卒業、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。モルガンスタンレー証券等を経て、日本インベスターズ証券の設立に参画。現在、日本インベスターズ証券株式会社専務取締役、日本ファイナンシャル・アドバイザー(株)代表取締役社長。信州大学イノベーション支援センター客員研究員、明治学院大学大学院経済学研究科非常勤講師を兼務。著書に『ダマされたくない人の資産運用術』(青春出版社)など。

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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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