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2050年にはアメリカを抜き世界第2位に
急加速するインド経済の実力

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2008/06/02 14:00

 インドの経済競争力がBRICsの中でも急速に伸びてきている。ゴールドマン・サックスは、「インドは2050年までにアメリカを抜き、中国に次ぐ世界第2の経済大国に躍り出る」と予測しており、今後は中国とインドの間で、これまで以上に激しい競争が展開されることになりそうだ。(バックナンバーはこちら)

アメリカの金融危機に素早く対応したインド企業

 このところインドの経済成長が目覚しい。2006年から7年にかけてのGDPの成長率は8.5%を記録した。国家開発委員会が策定した第11次5ヵ年計画(2007年~11年)では、この期間の経済成長率目標を9%とし、最終年度には10%の高成長を目指すという。

 アメリカ最大のメディアグループであるタイム・ワーナーのアジア向け販売実績(2008年第一四半期)を見ると、何とインドが日本を抜き、アジアNO.1となった。北京五輪を控えた中国より、インドの方が世界からメディアマネーを呼び込んでいるのである。

 インドの潜在成長力は高い。特にインフラ関連の投資意欲には他のBRICs諸国を圧倒する勢いがある。

 道路、港湾、空港、電力など基本インフラへの投資金額は年々倍増している。世界各国の投資ファンドが熱い関心を寄せるのもうなずけよう。ゴールドマン・サックスの予測では、「インドは2050年までにアメリカを抜き、中国に次ぐ世界第2の経済大国に躍り出る」とのこと。

 そのためか、最近は安定的な資金運用を信条とする海外の政府系ファンド(SWF)によるインドのインフラ投資が急増しはじめた。負けてはならじと、インド政府も独自のインフラ整備ファンドを海外企業と共同で立ち上げ、今後5年間で4500億ドルの資金投入を計画しているほどだ。

 ウォールストリートの金融機関のアウトソーシング先として潤ってきた感のあるインドのIT業界はアメリカ発のサブプライムローン危機の影響で大きな打撃を受けたとの見方もあった。確かに、アメリカの金融機関からはコスト削減の要求が高まったことや、インド国内の賃金上昇や通貨ルピーがアメリカドルに対し過去1年で11%も切り上げられた結果、インドの国際競争力は厳しい局面を迎えている。

 ところが、多くのインド人経営者はこの難局を巧みに乗り越えつつあるようだ。というのも、インド企業はアメリカの金融危機の先行きを早い段階で察知し、必要な対策を講じていたのである。アメリカの金融システムを裏側で支える多数のインド人エンジニアからの情報を常に吟味していたからに違いない。そこで、インド企業は顧客のグローバル化に拍車をかけたのである。要は、“ウォールストリート離れ”を成し遂げたわけだ。その結果、ソフトウェア会社の2008年の収益見通しは20%高といわれる。

 もちろん、アメリカのITエンジニアに比べ、インド人技能者の給与は、いまだ6分の1程度に過ぎない。この安価な人材の供給源としての魅力は大きく、経営環境が厳しさを増すウォールストリートの金融機関とえいども、生き残るためには結局、インド人エンジニアに頼らざるを得ないのである。

世界的にも珍しい32歳の取締役の誕生

 インドが比較優位を保っているのはIT部門に限らない。(次ページへ続く)


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