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為替取引はどのようにして始まったのか
FXの過去(1980年-1998年) 前編

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2008/06/16 12:00

FX取引を理解するには為替全体の流れを知ることが重要だ。本連載では為替の歴史を過去、現在、そして未来の3つに分けて解説。FXを基礎から理解し、ぜひトレードに生かしてほしい。(後編はこちら)

FXはいつ、どのように生まれたのか?

 いまや、株式投資と並ぶほどの人気となった「FX(外国為替証拠金取引)」。オンラインやモバイルトレードの普及はもちろんだが、取引時間の長さや豊富な取扱通貨ペア、レバレッジをかけることで資金を効率的に使えるなど、その利便性の高さから、サラリーマンや主婦から支持を集めている。

 じつは2008年は、FXにとって記念すべき年だという――なんと、個人投資家に為替取引が開放されて10年目。つまり今年は、FX取引が始まって10年という節目の年なのだ。

 そこで今回から3回にわたり、FXの過去と現状、そして今後について、これまでの歴史を振り返りつつ紹介したいと思う。初回となる今回は、商品先物取引や為替取引に携わって15年になる、FX取引会社・上田ハーロー株式会社・マーケット企画部の吉田文吾氏に話を伺い、FXが生まれた経緯やサービス発足直後から多くの投資家に受け入れられるまでの、「FX黎明期」についてまとめてみた。

 そもそも、いまから10年前、為替取引が個人に開放された背景には、どのようなことがあったのだろうか。

           上田ハーローの吉田文吾氏

「FXが誕生したのは、1998年に『改正外為法』が施行され、個人でも為替取引が行えるようになったのがきっかけです」

「FX自体はそれまでにも、シンガポールや香港など海外で個人投資家向けのサービスとして提供されていましたが、その仕組みが日本にも輸入された格好です」(吉田氏・以下同)

 過去、日本では為替取引は法律によって厳しく制限。戦後となる1949年に施行した「外国為替及び外国貿易管理法」では、通貨の取引を原則禁止。

 その後、1980年の改正により、対外取引を原則自由化して貿易等に関する為替取引は認められたが、実際に取引できるのは銀行等金融機関のみ。個人が為替取引を行うことはできず、外貨投資と言えば、各銀行が提供する「外貨預金」や「外貨MMF」が一般的だった。

 ところがこういった状況も、先に紹介した「改正外為法」(1998年)の施行で劇的に変化を遂げることになる。対外取引は完全に自由化され、為銀主義(外国為替公認銀行=為銀のみが外国為替取引が行えること)は撤廃されたのだ。

外為法改正(1)外為法改正の経緯

「為替取引に制限があったのは、通貨の安定や国内産業保護のため。自国経済が安定していない状況で大量の通貨が流出入することは成長の阻害要因となる危険性があるためです。ところが日本も経済のグローバル化や、社会が成熟するに従い製造業からサービス・金融業へとメイン産業がシフトし、金融業の立ち遅れや東京市場の地位低下が指摘されるようになり、これを受けて法が改正。為替取引の本格自由化が解禁となりました」

 そして、この自由化に伴い早速導入されたのが、それまでにも米国・欧州・一部のアジア諸国で取引されていたFXだったのだ。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 大正谷 成晴(オショウダニ シゲハル)

    1973年生まれ。投資をこよなく愛するフリーランスの作家・ライター・エディター。2001年よりビジネス誌を中心に活動を開始。得意分野はFXで、裁量トレードからシストレまで幅広く実践し、自らの資産運用に力を入れている。趣味はサイクリング、料理、そして投資。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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