手数料が高くつく場合もある それを防ぐには?
株主優待タダ取り(クロス取引)をしても、優待価格以上に「逆日歩」という、手数料を支払わなくてはならないケースがあります。
具体例を出して、説明しましょう。権利確定日7月20日、証券コード9900のサガミチェーン では、権利付最終日の平成20年7月14日の「逆日歩」が29.5円になりました。サガミチェーンの株主優待は、1,000株以上持っていると、15,000円相当の優待食事券(500円券30枚)がもらえるというものです。
もし、株主優待タダ取り(クロス取引)をしていた場合には、1,000株×29.5円=29,500円の「逆日歩」が発生し、優待内容よりも高い、14,500円(=29,500円-15,000円)逆日歩を支払わなければならないことになります。これでは「タダ取り」とはいえません。
株主優待タダ取り(クロス取引)を目指すなら、
●「逆日歩」がつかない銘柄を選択すること
●「逆日歩」がついてもそれ以上の魅力ある優待を選択すること
●「逆日歩」がつかない取引方法(一般信用取引)を選択すること
がポイントとなってきます。
逆日歩がつかない一般信用取引の仕組み
ではまず、逆日歩がつかない一般信用取引について説明します。一般信用取引は、カブドットコム証券・岩井証券・大和証券・松井証券などが提供しています。一般信用取引で信用売りをしている場合には、逆日歩は発生しません。貸す株の数が足りなくなることがないよう、証券会社は当初から、逆日歩のつきにくい銘柄(発行済株式数の多い銘柄)、や売残に比べて買残が多い銘柄を一般信用銘柄に選定しています。
しかしながら、権利付最終日には株主優待タダ取り(クロス取引)を含め、さまざまな思惑で一般信用取引の売り注文が大量に入る可能性があるので、あらかじめ各証券会社では逆日歩が発生しそうな銘柄は、一般信用取引の売り注文を受けつけないようにしています。
そのため、権利付最終日の前日に、突然一般信用売り禁止と規制がかかることもよくあるのです(ただし、大和証券のみは、最初から一般信用取引可能な株は何株ですと表示しており、その株がなくなれば一般信用売りができなくなっています)。
では次に、「逆日歩」がつかない銘柄について解説します。