8月IPOは壊滅状態に
こんにちは、フィスコの岡村です。
8月は、すでに3社が上場しました。しかし結果は、8月第1号のアスコットから、3社すべての初値が公募価格を下回りました。まさに壊滅状態です。ローリスク・ハイリターンの代名詞的存在だったIPO投資を、今やハイリスク・ローリターンと皮肉る市場参加者まで出てくる始末です・・・。

とりわけ、トライステージ(2178)の初値が公募価格を35.3%も下回ったのは衝撃でした。初値は売り気配で初日値が付かず、全株一致したのは上場2日目。マザーズ上場のIPOが売り気配で初日を終えたのは、2000年12月のリアルビジョン(6786)以来です。
リアルビジョンは、ネットバブル崩壊の渦中で上場し、かつ公募価格は1株で370万円もしたIPOでした。しかも赤字上場。これと似たスタートを、トライステージが強いられたというのは相当に深刻な問題といえます。
初値で買う投資家がいなくなった
これだけ危機的事態を招いた要因。それは、「初値買い」を実践するアクティブな投資家が激減したことにあります。
足元のIPOで軒並み公募割れが続いている原因は、「売り買い需要の逆転」にあります。かつて、初値が当たり前のように高く付いていた時代には、売り株数を圧倒的に上回る「初値買い需要」が根底にありました。今はその逆です。(次ページへ続く)