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【エンタメ潮流コラム】日本メーカーも例外じゃない
世界規模で進むゲーム業界の再編

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ゲーム開発がハイリスク・ハイリターンの事業となり、ゲーム業界は世界規模で、大手寡占化に進んでいくと予測される。もちろん、日本メーカーも例外ではない。将来的に、「大手」となり、生き残るのは果たしてどのメーカーなのだろうか。【バックナンバーはこちら】

 世界的にゲーム業界の再編の動きが目立っている。Electronic Arts(以下、EA)は、成立はしなかったが、Take-Two Interactiveに対してTOBを行った。日本でも、スクウェア・エニックスがテクモに対してTOBの提案を行ったが、これをテクモは拒否、コーエーとの経営統合の協議を開始し、経営統合委員会を設置した。今回はこれらの再編の背景を考えてみたい。

M&Aの背景には開発費の高騰あり

 海外で加速するM&Aの背景には、開発費の上昇が正当化されつつあることが考えられよう。拡大が続く欧米市場では、欧米メーカーは500 万本以上の販売実績となったタイトルを複数開発している。これにより、開発費が高騰しても利益を確保できることが立証されたといえる。したがって、今後も欧米市場では、市場全体として開発費が上昇する可能性があろう。

 一方で、開発費が上昇したタイトルに慣れてしまう消費者をさらに満足させるため、開発費がさらに上昇するリスクが高まろう。その結果、ゲームソフト開発がよりハイリスク・ハイリターンになっていく可能性があり、これに耐えうる企業規模=資本力が求められるだろう。そのためには、パブリッシャーにはファイナンス力と販売力が重要で、映画産業の配給会社のような機能が求められることになろう。

 ちなみに、EAの08/3 期non-GAAP ベース連結売上高は40.2 億ドル(前期比30%増)、営業利益は3.2 億ドル(同31%増)。つまり、売上高は約4,000億円で、日本企業の大手数社を合わせた規模となっている。また、ActivisionはBlizzardと経営統合し、EAに匹敵する規模になる可能性がある。こうした企業規模の確保という視点で、資本市場を通じた規模の拡大という戦略は、全世界的なレベルで加速していくものと思われる。

日本の業界再編の原因は世代交代

 一方、日本における業界再編のキッカケとなっているのは、経済的、経営的合理性もあるが、経営者やオーナーの世代交代の場合が多い。したがって、欧米企業のM&A戦略とは本質的にはやや異なることが多いといえよう。ただし、日本企業が利益成長するためには、拡大する欧米市場でのシェアの拡大は必要とみられるが、現状では、欧米市場でのポジションが日本市場ほど高くない。そのため、欧米市場においては、日本メーカーは欧米メーカーよりもやや不利なポジションにあるといえ、今後の欧米展開やM&A戦略、タイトル編成等が注目されよう。


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