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歴史上、最初のバブル相場と呼ばれた「南海泡沫事件」について話そうか

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2008/10/08 09:00

 今回取り上げるのは「南海泡沫事件」です。18世紀初頭、イギリスで起こった事件ですが、はじめてバブルという名前がついたこと、当時までの歴史では史上最大だったことという点で特筆に値します。(バックナンバーはこちら)

元祖バブル相場 南海泡沫事件

 今回も前回のロスチャイルド財閥の話に引き続き、相場にまつわる歴史の話をしたいと思います。

 システムトレードと直接の関係はまたもやないのですが、相場に関わる人間には昔から愚か者が多いことを示すよい事例ですし、後になってみればこれだけ常軌を逸した連中からシステムトレードで打ち勝つことも簡単だろうと思うのですが、「まさにその時」にトレードしようとすると決して簡単ではないというのが相場の不思議なところです。

 今回取り上げるのは「南海泡沫事件」です。この「泡沫」には、多数のうさんくさい会社が登場したこと(いわゆる「泡沫候補」の泡沫です)と、一度盛り上がった相場が短期のうちにはじけて消えた泡沫という二重の意味が込められています。

 そして、この事件以降、実態とかけはなれて相場が急騰しその後はじけることを「バブル」と呼ぶようになりました。そのような現象自体はこれより前の時代にもありましたが、はじめてバブルという名前がついたこと、当時までの歴史では史上最大だったことという点で特筆に値します。

 舞台になるのは18世紀初頭のイギリスです。前回のロスチャイルドとナポレオンの話よりさらに100年ほど前になります。

 当時のイギリス政府は大変な財政難にあり(国の主権が名誉革命で王室から議会と内閣に移ったばかりで、国の体制が変化したばかりですから仕方ないのですが)、国有事業の民営化で負債をわずかでも圧縮することになりました。

 そこで、「南海会社」という株式会社を作り、政府はこの会社に西インド諸島(現在のキューバやジャマイカを含む一帯の島々で、当時スペイン領)との貿易の独占的な権利を与えます。そして、国債を保有する者は申し込めば南海会社の株式と交換するという条件で株主を募りました。その分だけ国債の残高を減らせることになります。

西インド諸島周辺地図

 この貿易には、農作物等だけでなく、アフリカにあるイギリスの植民地で集めた黒人奴隷を西インド諸島に売る、という"事業"も含まれていました。奴隷貿易を行う会社が政府の肝入りで設立され、その株式が市場で取引されるのですから現代の常識では凄い時代です。

 ところが、ジョン・ブラントを代表とするこの会社の経営陣が暴走を始めます。
 実はこの会社の事業自体は、西インド諸島を領有するスペインがいい顔色をしないこともあってうまくいっていませんでした。それどころか、設立後しばらくしてからは事業の実体すらほとんどなくなっていたのです。(次ページへ続く)


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